今日も車いすに座っていたウサギさん。私が訪問しても反応が弱く、私だと認識してしていないように思えた。声を掛けてみるが反応がない。ウサギさんの手の平に収まる猫のぬいぐるみを買って持っていったが唯一これだけに強い反応を示してくれた。昨日に比べるとだいぶ機嫌は良いようだが、私が来たことには全く無関心だ。私の顔を見てもしばらくボーっとしている。
手足のマッサージをするが今日はそんなに嫌がらず大人しくしていた。おでこにチューをしても嫌がることはない。だが、反応が弱かったり視点が定まっておらずどこを見ているのか、何を考えているのかわからないウサギさんを見ていると、本当にこの状態が改善され以前のウサギさんに戻ってくれるのかと考えてしまう。回復までは回り道や寄り道を繰り返しながら少しずつ進んでゆくものと信じサポートをしてゆく必要がある。
マッサージをしながらハグをするが嫌がることはないので私を全くの他人とは思ってはいないはずだ。
猫のぬいぐるみ携帯と一緒に自分の手元にしっかりとおいているので、自分の好きなものや大切なものはしっかりと分かっているのだろう。
この日担当の看護師の方は厳しく、車いすに座っているウサギさんの手をロープで縛っていたが、私がいる間は外してもらう。自由の利く左手が拘束されるのは相当なストレスなのだろう。少なくと24時間のうちに1時間だけはウサギさんを自由にしてあげたい。自由奔放に生きてきたウサギさんにとって入院生活は耐えられないはずだ。今は脳の状態も不安点であるので、自分の置かれている状態が分かっていない。だが意識がハッキリしてきたら恐らく「早く退院がしたい」と始まるだろう。
14時半ごろからまた機嫌が悪くなり始める。怒ったり泣いたりが始まった。左腕をさすりながら大丈夫だよと、何度も伝える。帰り際は機嫌がまたよくなり、おでこにチューをさせてくれる。病気の影響による感情の起伏の激しさは依然としてある。
医師の方と香港の移送への話をするが、どうも日本の病院、私&義理の親父さん、香港の病院の間の会話がかみ合っていない。基本香港の病院や香港についてからのメディカルカーの手配や、イミグレーション、香港衛生管理局とのやりとりは義理の親父さんが行っている。面会後電話で進捗と足並みをそろえる調整が必要になりそうだ。
また医師の方にICUからHCUに移ったとは言え、入院費が心配なので他の病棟に移れないかと相談をするが、今のウサギさんの状態ではまだ今のHCUにいるしかないようだった。この日の時点で既に300万円を超えている。日本での保険の適用は当然ないので、一部自腹とウサギさんが加入しているマニュライフ香港の保険で処理をすることになる。
面会終了の時間になる。バイバイと言うが全く私を見ておらず、ずっと看護師の方を見ている。しつこく手を振りながら声をかけ、やっとこちらを向いてくれた。また明日ねと、うさぎさんに歩み寄って、しつこくおでこへのチューアタックを繰り返した。少し嫌がりながらも笑ってくれた。これはよく私たちふたりがしていることで、うさぎさんはあまり好きではないが、私が気にせずひたすらチューをする、スキンシップのようなもの。これまでの私たちにしかない思い出や出来事を駆使し、記憶を呼び戻す。そして一日も早くうさぎさんを完全回復させる。


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