今日も車いすに座っていたウサギさん。鼻についていた管が無かったので、看護師の方にやっと少しずつ口から食事ができるようになったのですねと伝えると、「ええええっ」と看護師の方が叫び声をあげる。どうやらウサギさんが自分で管を抜いてしまっていたようだ。ただゼリーなどは、まだ右側に残ってしまうが食べられるようなので結局この日から管から流動食を入れる必要はなくなった。
ドラえもん手袋とロープも外してもらえたので、暗所番号を入力し携帯を使っていたと看護師の方から聞いた。
この日の午前中、ウサギさんの向かい側のベットに居た韓国人の女性が退院をしたようで、二人で泣きながら別れを惜しんでいたようだ。数日前からウサギさんの枕元には猫ちゃんが2匹描かれたポストカードがあった。私はずっと看護師の方がくれたものだと思っていたが、実はこの韓国人の女性の方がウサギさんが猫が好きだと知ってプレゼントしてくれたようだ。お礼も出来ずに本当に失礼なことをしてしまった。
この日ウサギさんは面会中も時折廊下を眺めていた。もしかしたらこの女性が戻ってくるのではないかと彼女の帰りを待っていたのかも知れない。
今日も私に対しては相変わらずで、数分刻みで喜怒哀楽をぶちかましてくれたウサギさん。とは言え、「喜」と「楽」の感情も少しだが入っているのはうれしくて、この瞬間が全てのネガティブな感情や疲れを吹き飛ばしてくれる。
この日の看護師の方は気が利く子で、形はどうあれ管も取れたということで車いすで中庭に出てはどうかと提案してくれた。小さな中庭だが、久しぶりに太陽日差しを浴びて嬉しそうなウサギさん。若いカップルが改造した車で弁当の移動販売をしていた。「ウサギさんの料理と弁当が早く食べたいよ」と伝えると、涙をこぼしながら嬉しそうな顔をしてくれた。香港に帰ったら、猫のベンちゃんに会いに散歩にも行こうと伝えるとにこッとしてくれた。しっかり記憶は残っているのだと確信した。
部屋に戻ると面会終了の時間になっていた。本当に1時間はあっという間だ。
明日はアグネス(ウサギさんの大親友であり、私たちにとって姉貴的な存在)がお見舞いにきてくれると伝え病院を後にした。


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