2026年7月17日(金曜日)

闘病記 完全回復まで

驚いたことにうさぎさんはベットの横に置かれた背もたれが少し長めの車いすに座ってうたた寝をしていた。声を掛けるとすぐに目を覚まし、弱弱しいが嬉しそうな顔を見せてくれた。ニャー君、ゴンそして神様が入ったエメラルドグリーン色のポチを左手に握らせる。携帯に付けるケーブル式のイヤフォンも持参した。

私に声をかけてきた看護師を眺めているが焦点が合っていない。自分が今どこにいるのかどういう状態に置かれているのかも分からないのだろう。

人口呼吸器は外されてはいるが、まだ鼻には管が入っている。元気に動く左手にはロープとドラえもん出袋が付けられれている。面会時間はこのロープだけは外してもらえるがドラえもんはそのままだ。時折、鼻についた管を抜こうとするうさぎさん。相当、違和感と気持ち悪さがあるのだろう。

いきなり私の左背後から若い看護師の方が飛んできた。私が目を離したすきに、管を鼻から引き抜こうとするうさぎさん。かろうじて看護師さんが、折り畳み椅子を倒しながら阻止する。「どうしたの、どうしたの」と私。看護師さん曰く、管を鼻に入れると患者さんはけっこうな痛みがあるようで、その思いをウサギさんにさせたくなかったようだ。この看護師の方は、一か月の滞在中、何度かウサギさんの担当をしてくれたがとても感じの良い子だった。ウサギさんのお気に入りの一人だ。

先日のCTスキャンの結果を聞きたかったが、医師の方は多忙のようでこの日は話を聞けなかった。

私がいる時間も、右を見たり左をみたりと忙しいウサギさん。しっかりウサギさんのアテンションをひきつけ、意思を伝えるには正面に移動する必要がある。頬っぺたを触り、キスをしながら、帰る準備をする。看護師の方がウサギさんに「ご主人、帰られますよ」と日本語で言うと、すぐに車いすに座った状態で寝てしまった。私がいる間は眠気と戦いながら、頑張って起きていてくれたのだろう。ありがとう、ウサギさん。

まだまだ油断はできないが、日々ウサギさんの状態が良くなることを祈りながら看病を続けてゆくだけだ。

奇跡は起こるものではない。起こすものだと言うのがウサギさんが病気になってから毎日のように、意識的に声に出し自分に言い聞かせている。そうでもしないと、マイナスで後ろ向きな言葉しか出てこない。

頑張ろうな、ウサギさん。と声をかけHCU室を後にした。

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