この日もジェレミーと2人でウサギさんに会いに行く。今日は目を開けながらベットに横になっていた。気になったのは上着だけを着せて、下半身はオムツだけの状態でいたこと。すぐ看護師に服を着せるようにかなり強い口調で伝えた。香港の病院とは違い、ここ日本では男性女性共に同じ部屋で入院をしている。正直入院初日からこの点は不満で、男性患者の視線は不愉快極まりない。女性の着替えも男性看護師が担当しているなど、正直理解に苦しむ。
ジェレミーがいたので機嫌は悪くはない。ただ時折、涙を流しながら怒ったような視線を私に投げかけてくる。言葉を発せず体が上手く動かせないことへの辛さや不安からくるものなのだろうか。視線をどう受け止めてよいか分からない。だが目は逸らしてはいけない。ずっとウサギさんの涙で潤んだ目を見続けた。
ただひたすら「大丈夫だよ。大丈夫。愛しているよ」とだけ声を掛け続けた。私ができることはウサギさんを励まし勇気づけることしかできない。
足と背中のマッサージをジェレミーと2人でする。
面会の間、ウサギさんは左手と左足を使い何度も自分の力で起き上がろうとする。優しさ。人を愛すること。そして人としての本当の強さがウサギさんは持っている。
ウサギさん。辛いよな。でもあなたなら必ず乗り越えられると信じているよ。大丈夫だ。一緒にこの病気と立ち向かおう。完全回復。私ができることはウサギさんのために全てやる。
もう二度とウサギさんを悲しませたりしない。しっかり向かい合い。ずっと愛し続けていく。これから先何があろうともあなたを守りそして支えてゆく。
あなたの笑顔を待っている沢山いる。一日も早く元気になってそのいたずらで、子供のような高い声と笑顔でみんなのもとに戻ってきてくれ、ウサギさん。愛しているよ。
普段であれば病院を徒歩と電車で日暮里にあるホテルまで戻るが、この日は夜19時の便でジェレミーが香港に戻ることになっていた、タクシーを使いアルモントホテルまで帰る。日暮里駅までジェレミーを見送る。
ジェレミーとは普段香港にいる時は連絡を取ることはなく、ウサギさんの実家に顔を出した時に挨拶をする程度。この3日間を通じ、改めてその存在、特にウサギさんにとっての彼の存在の意義が分かったような気がした。サンキュー、ジェレミー。


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