この日も米で作った麺にフィッシュケーキが入ったやつを持参して病院へ。機嫌も悪くはない。恐らくリハビリで歩行練習があり上手くいったのだろう。食後は髪をとかし歯磨きをいつも通り手伝い、13時前に病院を出る。嬉しかったのは、歯磨きをしているとき、私がTシャツを着替えたいと思っているのを察してトイレに行ってこいと合図をしてくれたことだ。病気前のあの非常に気の利くウサギさんだ。こういう感覚だったり、しぐさに触れることができると体はまだまだ回復途中であったとしてもどこか安心できたりする。
病院を出てから義理のお母さんとワッツアップ、今週病院に来れない日を教えてくれと連絡をすると、月から金までだと言う。土日はどうなのと言うと、行かないと言う。思わず口から、「あなたの娘が入院しているのに一日も顔を出さないの?う」とでかかった。こうなるとウサギさんの夕食を手伝わなくてはいけない。
毎日フォーも飽きるだろうと思い、餃子が食べたいと言っていたので大学駅近くで店を探す。いつもの餃子屋の隣に、麺に餃子が乗ったメニューを出す店があるのでそこで夕食を買う。病院の夕食は17時から始まるが、既に18時近くになっていたので、急ぎ足で病院へ向かう。だが到着すると、お母さんが持ってきた料理と病院で出された夕食の残りがあった。
私が電話で少なくとも週に一回ぐらいはお見舞いに来て欲しいと伝えていたので、予定を変更してきてくれたのかと思った。
数日前、ウサギさんは流動食以外のものも食べれると話をしたとき、「これで料理を作らなくてよい」とお母さんが言っていたので、テーブルにある料理は買ったものだと思っていた。なので、母親が持ってきた食べ物は食べず、自分で買ってきたものをウサギさんに食べるように勧めるが、お母さんが持ってきたものを食べろと言うことをきかないので、渋々食べる。
私が食事をしている間泣いたりしていた。私がお母さんが持ってきた夕食を不機嫌に食べているので悲しくなってしまったのだろう。また病院の料理もあったがこれは食べずに捨てた。ちょっとウサギさんに悪いことしたが、料理が乗っていた使い捨ての皿では食べる気にはなれなかった。というのも、患者が歯磨きをする際に、口をゆすいだ水を吐くのに使うものだったからだ(勿論、ウサギさんは使わない)。となりのばあちゃんがいつもオエオエしながらうがいをしている姿を見ていたのでさすがに、この器では食べたいとは思えなかった。そして病院のまずい飯だ。
お母さんが持ってきてくれた食事をありがたく食べなかったことは明日ちゃんと謝ろう。
リハビリは19時過ぎから右上半身を中心に行う。右肩が固くなっているように感じたので、肘と腕を持ち、筋力の低下により隙間がある肩のあたり向けて、力を少し加えながら腕を回すのを手伝った。何度か腕を回すと体が少しほぐれてくるのだろう、うめき声が少しずつ小さくなってくる。
その後は、上腕二頭筋のあたりと肘を手で持ちながら、下に垂れ下がった状態の手を上げさせる運動をした。本人も少しだが手が動いたことを感じたようで、嬉しそうに涙を流していた。プロから見たらまったくいい加減なメニューだと思われるだろうが、動かない右手に希望を見出させるために、動きそうな部分を探し、そこが動いたら、後はガンガンその可動域を大きくしていくことだろうと勝手に思っている。
手のグーパーをさせるがこちらは全くうまくいかない。パーにしようとして、肘をまげ、力を手に入れようとすればするほど、手がどんどんグーになっていく。ウサギさんもかなり歯がゆいのだろう。うまくいかないと、悲しそうに私を見ながら目で何かを訴えてくる。私が言えるのは、大丈夫、気にせず、頑張って脳から手に「パーになれ」と指令を出し続けることだと伝えた。絶対に手の平をパーに出来るようになると、私の手でウサギさんの手を何度も何度も広げながらウサギさんに言い続けた。
その他、右手のトレーニングとしては、脇に隙間を作るようなイメージで、腕を広げるような運動をさせてみるが、こちらもうまくいかない。だがウサギさん本人も全くめげている感じはないので、明日もまたしつこくリハビリをするだけだ。
頑張ろうなウサギさん。大丈夫だ右手のモビリティーは必ず戻ってくるぞ。


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