これまでも何度か買ったラクサだが、この日は辛いと怒りビスケットを投げつけてきた。当然、キレる。自分が悪いと思ったのだろう、私腕をつかみ腕にキスをしてくる。病気だからと言ってこの点は許すつもりはなく(許さないといけないのかも知れないが)、しっかり感情にまかせビスケットを投げつけるのはよくないだろうとはっきりと伝える。
食後、メタルスライムスピーチセラピストが現れた。食べるところやリハビリで新しいことをしようとするとウサギさんに断られているという。当然だ。ウサギさんに嫌われているのだから。だが、これらをウサギさんがこの、メタルスライムの前で行わない限り、ウサギさんの状態の評価ができない。メタルスライムがいるところで、ウサギさんに「しっかりと食べたり、水を飲んだりするところを見せるように伝える。「リハビリで新しいことをするときは、拒否せず、失敗しても良いからトライはしよう」と話しをする。これまでテストや何か新しいことをすることを拒否してきたのは、自分が病気前にできていたことが、病後できなくなっていることを再認識させられるのが怖かったからだろう。だがこれまでウサギさんと話をする中で、少しずつだがウサギさんが抱える不安は一緒に取り除いてきた。なので今、ウサギさんが色々拒否をしていることはこのセラピストのことが嫌い。それが理由だ。メタルスライムが消えたあと、「こいつ嫌いなんだろう」と聞くと、あーあー、と声を出しうなずいていた。一日でも早く退院したいのなら、このしょうもないセラピストの課題に対応する必要があると説明した。
メタルスライム曰く、スピーチも少しずつだが改善しているとのこと。ただ、オブジェクティブ・ネイミングの正解率がまだ不安定のようだ。おそらく、疲れて集中力が欠如しているのが原因にあるのかもしれない。これはウサギさんの身の回りの世話をしているときに、確認できることで、これまでできていたことが、特に夕方など、起きてから時間が経っている状態だと、機嫌が悪くなり集中力が散漫になることがある。
午前中は、メタルスライムが帰ったあと、歯磨きだけを手伝い、車いすで1階に向かうウサギさんを見送る。病院をでる際、リハビリルームを覗くとウサギさんと目が合う。手を笑顔で振ってくれた。
お母さんがこの日も来てくれていた。サツマイモ。麺、五目あんかけのようなものと、セブンイレブンのブリトーのようなものがあった。この日もデザートを買ってこいというので、例のアーモンドのものを買ってゆく。毎日はだめだと思いつつも、喜ぶ顔が見たくて買ってしまう。ウサギさんが食べる量はスプーンで5口程度なので、「疲れた脳には甘いものが必要だ」と自分を納得させる。
さすがにウサギさんも若干の罪悪感はあるようで、食後はスポーツシューズを履きベットから立ち上がる運動をする。起立した状態を数分維持する。これを3回程度繰り返す。この運動がウサギさんにとってどのぐらい大変なものなのかは分からないが、運動が終わると目を閉じてじっとしていたりするので結構な労力が必要なのだろう。右上肢の運動もしたかったが、夕食を取り、ウサギさんの身の回りの世話をしているとその時間が取れない。夕方病院に戻ってくる時間を少し早めにしよう。
メタルスライムが午後に来ると言っていたが、来たのかとウサギさんに聞くとうなずきながら、水を飲むところを診て行ったと、呆れながら話てくれた。性格が悪いわけではないのだろうが、話して感じるのはスマートさを前面に出して話してくる。そして早口。そのため、ウサギさんにとっては話が早くてつかれるのだろう。前にゆっくり話せばウサギさんは理解をできると言っていたはずだが、おそらく忘れているのだろう。水のみ試験で何が分かったのかを聞くついでに、今度あったら改めて話す速度を少し緩めてくれと御願いしよう。
この日は、8月11日に香港に戻ってきてから始めて、平日のお見舞いの後にジムにいくことができた。


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