早6時半前に病院に到着する。うさぎさんは寝ていたが、私が着くとすぐに目を覚ます。眠いのもあるのかも知れないが、いつもよりもだいぶ落ち着いている。
羽田空港へのメディカルカーで向かう。料金は現金払いで35,000円だ。医師2人が同行し日本から香港へ移動をする。移動時間中に、急性期を過ぎた今の時期から残り5か月でどのようなリハビリを日本では実施してゆくのか。また今後、ウサギさんが回復する中でどのような後遺症が出てくるのかを聞いた。脳における記憶を司る部分は今回の出血でダメージを受けていないようだが、テンカンの症状が出る可能性はあると言われた。それ以外も聞こうと思えば聞けたのだが、猫のぬいぐるみを握りしめたウサギさんは起きているのでそれ以外のことを聞くのは止めた。
羽田空港のラウンジで搭乗を待つ間、医師2人と私たちだけで軽い朝食をとる。私とウサギさんは2人で話しているが、帰れると言う安心感からなのだろう病気前の落ち着いたウサギさんがいた。恐らく、病気になってから恐らく一番この日が落ち着いていた。病気前のあのマイペースで明るいウサギさんだ。家に連ることが出来れば心穏やかに過ごすことはできるのだろうが、病気の状態からそれは難しい。
ウサギさんに嘘をついていたわけではないが、香港に帰ろうとだけ伝えていた。香港から移送がメディカルカーで病院に向かっていると知り明らかに表情は怒っていた。病院では義理の両親が待っていた。母親を見ると嬉しそうにしていたが、その後はずっと怒っている。その怒りの矛先はもちろん私だ。部屋に移るがせまい部屋で、看病は当然のことマッサージすらできない。
流動食が出されるが布団の上にわざとぶちまけてしまう。喉が渇いていたようで水を飲むがむせてしまうので、点滴に切り替わる。飛行機での移動中は、誤嚥や万が一に備え水分などは口にしていない。4時に起き、朝羽田空港のラウンジで軽い昼食だけを取っていただけなので、この日は病院から1カ月ぶりの自宅に戻ると、力つき床に倒れ込んだ。天井には湿気で生えたカビ無数にある。日本で私からの連絡を待つ両親にラインで連絡を入れ、この日は終えた。ただいま、香港。


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