サンウェル・エッセンシャル・ケア/サン・ライフ香港の癌保険。

サン・ライフ香港/永明金融

がんは依然として高額の治療費がかかる病気だ。日本のように公的医療制度が優れているような国では健康保険の3割負担や高額医療費を利用できるので医療費の自己負担は軽減されるが、それでも自己負担が完全にゼロになるわけではない。治療が長引いたりがんの種類によっては特別な薬や治療が求められることもある。自由診療などで発生する費用は全額自費負担。病気になってからそれ以前の健康な状態に戻るまでの時間(戻れないこともある)や医療費など、わたしたち一般人には予測・試算しにくい部分が多くあるということを認識している必要がある。その上でがん保険が自分にとってそして家族がいれば彼らにとって必要かそうでないかを考える必要が出てくる。

4.2倍にも膨れ上がるがん診断給付金

手元に40歳非喫煙の男性がサン・ライフ香港のがん保険サンウェル・エッセンシャル・ケア(以下サンケア)に10年払いで加入した場合の見積もりがある。毎年の保険料は4,800$。保険料払い込み総額48,000$(10年x4,800$)。ベースとなる基本がん診断給付金は10万$。

サンケアにはこの基本がん診断給付金に加え、がんの種類や罹患した時期によって追加で契約者に払い出される特別給付金プランが設計に組み込まれている。追加で払い出されるこの特別給付金と基本がん診断給付金を合わせると最大で420%給付の金が被保険者に払い出される。既述の40歳男性がこのサンケアが規定する諸条件を満たした場合、48,000$の保険料を払えば420,000$のがん診断給付金を受けとることができる。

患うかどうかも分からない病気に48,000$も支出することに意味があるのかどうか判断が付かない方もいるかもしれない。だがこの金額が貯蓄となりまた資産形成の一助となってくれると分かればこの支出の存在であり、見方がが少し変わってくるのではないだろうか。サンケアに10年払いで加入をすると契約から20年目に損益分岐点を迎える。要は払い込だ保険料と契約者が確実に受取れる解約返戻金の額が同じになるのがこの年で、以降は非確定の解約返戻金と共に資産が増えてゆくことになる。ちなみに、被保険者が100歳までがんを患うことなくピンピンしていれば確定解約返戻金は100,000$になりそこに非確定解約返戻金(運用成績次第で支給される返戻金)の695,252$が加算された合計795,252$が解約返戻金として払い出される。返戻率は1,643%にもなる。

このがん診断給付金420%の内訳に話を戻す。以下が420%の内訳となる。

300%:キャンサー・ベネフィット。

40%:アーリー・ステージ・キャンサー・ベネフィット

60%:エンハンス・ベネフィット

20%:ジェンダー・ケア・エクストラ・ベネフィット

既述の40歳男性見積もりを参照しながら内訳と特徴を説明してゆきたい。

300%:キャンサー・ベネフィット(Cancer Benefit) 

キャンサー・ベネフィットは3回まで請求ができる診断給付金になる。40歳男性の場合、総額30万$(基本がん診断給付金10万$x3回)をがん診断給付金として受取ることができる。がん診断給付金を受け取ってから次の給付金を受け取るまでの間にはWaiting Periodと言う待ちの期間が設けられているが、この待ち期間の規定は2つある。

規定1。2度目、3度目に罹患したがんが前のものとは異なるタイプのがんである場合、待ちの期間は1年となる。

規定2。潜伏期間の長いもの、転移性の高いがんを罹患した。また2度目、3度目のがんが再発である場合においては、次のキャンサー・ベネフィットを受取るまでは3年の待ち期間となる。

その他規定。キャンサー・ベネフィットの受給年齢に関してのもので初回は終身となるが2度目以降の受給年齢は85歳までとなる。これは、1度目のがん罹患においては、給付金が払い出されるのは満期償還(解約時)となる100歳までとなるが、2度目の罹患においては85歳までが払い出しの期限となる。また2度目以降の受給においてはサンキャッシュ・サポートを差し引いた額が被保険者に支払われる。

※サンキャッシュ・サポート。これはプラン運用中被保険者に払い出される通院手当のようなもので、36カ月(18か月x2回)に渡り被保険者とその家族に払い出される。2度目のがん罹患まで払い出される。基本がん診断給付金の1%が連続18か月で払い出されるので、既述40歳男性のプランにおいては1,000$(10万$の1%相当)が被保険者に払い出されることになる。

20%:アーリー・ステージ・キャンサー・ベネフィット(Early Stage Cancer Benefit)

上皮内新生物または早期悪性腫瘍と言った初期の段階に分類されるがんを罹患をした場合において、基本がん診断給付金の40%(20%x2回)を被保険者は受取ることができる。ただし、この2回目のアーリー・ステージ・キャンサー・ベネフィットを受給できるのは、既述の上皮内新生物と早期悪性腫瘍が一度目の罹患時とは異なる器官に疾患が現れた場合(注記。皮膚の上皮内がん/皮膚の非浸潤がん、早期悪性黒色腫は対象外となる)。またAJCC(American Joint Committee On Cancer)に規定される、初期の前立腺がん、初期の甲状腺乳頭がんと言ったステージ2またはそれ以上の場合となる。

このアーリー・ステージ・キャンサー・ベネフィットに絡めお伝えしておきたいつるセコな情報としては、被保険者が上記のがんを罹患してしまった場合においては、24か月間の保険料支払い免除が適用されるので、契約者は保険料の支払いを心配することなく治療に専念できる。

エンハンス・ベネフィット(Enhanced benefit)

エンハンス・ベネフィットは運用中、基本がん診断給付金の60%に相当する60,000$がキャンサー・ベネフィットと共に払い出される。この見積もりのケースの場合だと合計160,000$を被保険者は受け取れることになる。1度目のがん罹患時にのみ適用される。なお被保険者の加入年齢と払い出し期間には以下のルールがある。

ルール1。加入時の被保険者年齢が20歳以上の場合は払い出し期間は加入から20年まで。

ルール2。加入時の被保険者年齢が21歳以上の場合の払い出し期間は加入から10年まで。

ジェンダーケア癌診断給付金(Gender Care Extra Benefit)

女性・男性特有の癌を85歳前までに患った場合において癌診断給付金の20%が、キャンサー・ベネフィット100%と共に払い出される特別給付金だ。対象となる癌はそれぞれ8つあり、以下の通りとなる。女性:乳癌、卵巣癌、卵管癌、子宮癌、子宮けい癌、膣癌、外陰癌、非妊娠性絨毛癌。男性:前立腺癌、せいのう癌、精巣腫瘍(精巣癌)、精巣癌、精巣導管癌(精管癌)、精索癌、陰茎癌、不妊癌(精巣癌)。

その他

日本で販売されるがん保険を調べ保障内容を精査した方から見ると、なぜこのサンケアの保障とがここまで手厚いのか疑問に感じる方もいるかも知れない。この背景には日本と香港の医療制度における大きな違いがある。公的医療制度が整っている日本とは異なり、ここ香港ではそれが無いとは言わないまでもほぼ無いに等しい。香港政府の運営する病院もあるが、よほど緊急でない限り治療を受けることができない。体調が悪くても流血していても特別な事情が無い限り治療を受けることは難しい。今年3月末に家内が脳出血を起こしたが、この時は緊急の治療が必要と判断され入院と治療を受けることができたが、このレベルにならないと患者は受け入れてもらえない。こんな背景もあり私たち香港居民はサン・ライフないしどこかしらの保険会社に加入をしており、病気になればこれら保険会社が提供するプランを使い、プライベート(非政府系病院)の病院で治療をうけることになる。そして医療費がクソ高い。

がん保険ふくめ重大疾患に関する保険商品はその特徴を理解することもそうだが医者や医療の専門家でないかぎり、病気やその治療法を理解するのは難しい。どのプランに入ればどのような病気が保障対象となるのかなど、内容を精査するような人も中にはいるのだろうが、恐らくほとんどの人は忙しくそんなことをしている時間はないはずだ。そのため、保険会社としてはこのプランに入っておけば大抵の病気、そして治療費はカバーできますよと間口を広くとった販売方法を取っている。保険が一大産業である香港においては日々熾烈な顧客獲得競争が繰り広げられている。保険会社各社利益を削りながらこれでもかとトッピングをしながら顧客獲得に励んでいる。

サンウェル・エッセンシャル・ケアの加入年齢と保険料支払い

10年払い:生後15日~65歳

15年払い:生後15日~60歳

20年払い:生後15日~55歳

25年払い:生後15日~50歳

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