保険が資産運用のツールとして確固たる地位を築いていると知ったことは、
私が2006年に香港に移住して受けたカルチャーショックの一つだ。
たしか香港に移住して2年目だったか、
旧正月に嫁の家族とその親戚達と夕食を取っている時だったと思う。
パークンショップで購入してきたであろう安物ワインをナミナミに何杯も注がれながら、
シャーリーおばさんに老後を意識して少しずつ積立をはじめれば、
20年もすれば払い込んだ額の倍以上を受け取れると教えてもらったのを今もよく覚えている。
なぜか周りの目は冷ややかだったが。
大学を出てすぐ香港に移住をしていたので、
日本の保険制度などそこまで詳しくも無かったが、
少なくとも日本の保険は、
お宝保険と言うものを除くとそれ以外は貯まらない、
金と時間を無駄にするものと言う認識だった。
世界中の保険会社が香港には集まっている。
香港の保険監督当局であるInsurance Authority(以下IA)によれば、
香港には許認可を受けたビジネスを展開する保険会社が164社ある。
その内53社がLong term insurers(生命保険を取り扱う)、
91社がGeneral insurers(損害保険)、
そして残り20社が両方のビジネスを行う保険会社だ。
日本の金融庁が公表しているデータによると日本にある生命保険会社は42社、
損害保険会社が53社となっている。
香港の人口が700万程度である事を考慮すると、
狭い香港に世界中の保険会社が集まっていることが良く分かる。
香港の保険と日本の保険の違い
香港の保険には死亡保障が100億くらいのものも香港には存在する。
日本だと恐らくあって数億円程度だろう。
また日本円建ての商品が多い日本に比べ、
香港の保険は香港ドル、人民元、米ドル建てで運用ができるが、
いずれの場合も手ごろな保険料でしっかり
解約返戻金や死亡保障が受け取れる。
香港と日本において同じ金額で保険料を払い込んだとしても20年も経てば、
倍からそれ以上の運用益を香港の保険から得ることが出来る。
これら高い運用がなされる背景にはやはり、
世界有数の保険会社がしのぎを削りながら
顧客にとってメリットのある商品開発をすることで、
優良商品が生み出されるところにあるのだろう。
香港はアジアの国際金融センターとして名前を挙げられるが、
金融の中でもとりわけ保険だけを取り上げるなら、
保険は香港の一大産業のひとつになる。
その他に香港の保険の特徴をあげるとするなら、
保険契約の柔軟性だろう。
香港の保険では毎月の保険料を変動させる事が出来るような商品、
また名義人や被保険者の変更が無制限に行える資産の継承を目的としたような商品、
年齢によって保険料が変わらない貯蓄型保険など
ライフステージの様々な局面に対応してゆける柔軟性に富んだ商品が数多くある。
保険料以外で日本人の方が保険加入を検討する際に、
気にするポイントの一つが税負担が軽減されるかどうかだろう。
香港の保険に限って言えば、
節税を意識した商品設計はあまりされていない。
香港では相続税や贈与税は無く、
また生命保険の解約返戻金だけに限らず
投資から得た収益に対しては基本非課税。
また所得税も他国と比べて決して高くはないので、そもそも削る対象となる税があまりない。
このような香港の環境下において
保険は損金ではなく資産と位置づけされているのだ。
香港の保険の利回りがなぜ良いのかと言う点については、
契約としての柔軟さが保険料の運用における「運用力」と結びついているからと考えられる。
香港にある保険会社は毎年委員会を開き、
保険利回りの調整を行い毎年の利回りをなだらかにしている。
そのため運用利回りの上振れは抑えられるも一方で下振れも極力抑えられているようである。
日本国内で保険の加入を検討されているかた、
シャーリーおばさんが私に教えてくれた保険商品について興味のある方は以下よりお問い合わせください。
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