香港人と保険。短期での利子回収は当たり前。

その他

今年の1月から続いていた香港政府の厳しい

コロナ規制が3ヵ月ぶりに緩和された。

焼き肉を食いたい喰いたいと騒いでいた

香港人の友達ライアン君と一緒に

チムシャーチョイにある本陣に数か月ぶりに訪れた。

39歳のなるライアン。

ヴィレッジボーイと呼ばれる裕福な家系の出身

(本人曰く、昔はそうだったらしい)で、二人兄弟の末っ子。

現在、75歳になる母親が大腸癌を患い闘病中。

保険でカバーしきれない、

費用は全てライアンの財布から捻出しているようである。

兄の方は、

ギャンブルによる多額の借金を抱えているので

医療費負担の貢献レベルはゼロ、またはマイナス。

両親は、

親父がチューゴクにガールフレンドを作ったことが原因で離婚。

親父の方はチューゴクに家族がいるらしい。

だが、

その親父は現在糖尿病を患っているようで、

近く家族から見放される予定のようである。

ん?

そのため、

ゆくゆくはそのファンキーな親父を

ライアンが世話をするようである。

んんん?

母親の治療費の負担については理解できる、

だがガールフレンドを作り家族を放り出し

チューゴクで家族を持っている親父の世話を

する必要があるのかについては大いに疑問だ。

だがこれがヴィレッジボーイであり、

お金持ちコミュニティに所属する人達の心の広さ。

見返れりなどは一切もとめず、

与えることが出来る人達の考え方なのかもしれない。

「トシ、俺疲れてるは」

「そりゃそうだ」

「貯金も大分減っちゃったよ」

「この3か月で500万ちかくつかって、

しばらくこのペースで医療費を払い続けるんだろう?」

「うん、マミーが闘病している間はずっとそうなるね」

「複雑だな」

「そうなんだよ。元気になって欲しいけど、

俺も病気になりそうだよ。

貯金もいつまでもつか、分からないし」

「そういえば、保険の営業をしているようだけど、

どこのエージェントに勤めているの、AIAとか?」

「いや、俺はIFAに所属するブローカー。

エージェントではないから、

香港で販売されるほとんど全ての保険はほぼ全て取り扱ってるよ」

「IFA?」

「そう。IFA。保険の総代理店だね、簡単に言うと」。

正直あまりこのIFAと言う言葉にピンとこなかったようだが、

総代理店であると聞いて理解したようだった。

保険が一大産業の香港において、

知人、友人、身内などいたるところに保険会社に勤める人間がいる。

営業もかなり頻繁にかけられているようで、

軽くアレルギー反応を示していた。

リッチファミリーの周りには、

彼らを食い物にしようとするワニがうじゃうじゃいるのだろう。

ライアン的には

保険商品の提案を受けることはそこまで

嫌ではないようだが、

知人や友人の紹介でエージェントとの会話は

できるだけ避けたかったというのが本音だという。

それは断ることへの抵抗もあったようだがそれ以上に、

複数の商品を比べながら選択したいと言う

消費者ならだれもが抱く欲求をエージェントを介した

保険の提案では満たせないからだ。

もちろん、

エージェントの中には競合他社との

比較を交えながらメリットデメリットを

しっかり説明してくれる担当もいるようだが、

それでも結局それは営業におけるパフォーマンスに

過ぎないとライアンはきっぱり言っていた。

エージェントが提案する商品以外にも、

もっと自分のニーズにあった商品が

あったかも知れないと言う思いであり、

しこりがやはりどこかに残るのだろう。

とは言え、

比較せずにエージェントに

ゴリ押しされて加入したプランであっても、

これならまっ良いかと契約者を思わせてくれる保険商品に

囲まれている香港人はかなり恵まれていると言える。

普段は気の抜けた三ツ矢サイダーの様なライアン君。

だがやっぱり育ちの良さは隠せない。

しっかり焼肉のお礼にと、

余剰資金を保険会社に預けつつ、

契約から2、3年で月(年)ベースで

利子の受取れるプランを探して欲しいと言って帰っていった。

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