香港で販売される貯蓄型保険に組み込まれている追加オプション(特約)。雑感その他。

その他

香港の保険では受取人は親族以外でも設定ができる。香港の生命保険における死亡保障受取人は親族以外にも設定をすることができる。保険会社によっては、受取人設定の条件が若干異なることはあるが、サン・ライフ香港の商品はじめ、香港外に住む日本人が加入できるプランの多くは、親族以外を受取人にできるように設計されている。知人、友人、愛人、彼女など、だれでも死亡保障受取人になれる。加入の手続きにおいても署名の必要はなく、名前、パスポート番号、身分証明書番号、契約者/被保険者との関係を記載するだけで良い。例えば、独身の恋人であればFiancé、既婚の方の恋人であればFriendと記載することになる。ただし彼らは死亡保障受取人にはなれるが、契約者になったりプランを解約し返戻金を受け取ることはできない。

強制解約をさせられることなく、運用を継続するためのオプション

被保険者を変更しながらプランを継承できるオプションは、この数年の間で、香港保険への加入を検討されている方の間ではだいぶ認知されるようになってきた。保険プランにおける保障期間も長くなり、満期償還が100年を超すようなプラン設計が一般的になっている。そのため保険プランには、予期せぬ万が一の事態が契約者や被保険者に起こったとしても、強制的に途中解約されることなく運用が長期に渡り継続されてゆく仕組みが求められる。そして何より契約者であり被保険者が香港保険に加入する目的は、資産を増やしてから子供や孫に継承をするところにあるので、貯蓄型保険においては強制的な途中解約は避ける必要がある。

契約者、被保険者そして死亡保障受取人の関係性や年齢差は様々だが、例えば、高齢の契約者が未成年者(18歳未満)を被保険者に設定し加入をされる様なケースにおいては、契約者は候補契約者を立てることができる。候補契約者指定オプション。これは契約者が亡くなった際に、指定された候補契約者が新しい契約者として被保険者が成人するまでプランの名義人になるというもの。契約者の年齢や健康面で少し自信が無いような場合に活用できるオプションと言える。

候補契約者指定オプションに加え、契約者が存命の間に準備できるものとして、新しく追加されたものに、メンタル・インキャパシティー・オプションがある。これは契約者が認知症を患い、名義変更の手続きやプラン解約などの意思決定ができなくなった場合に備え、契約者の家族(18歳以上)を代理人として立てることができるオプションになる。認知症を患うことは約者であり被保険者の死亡と同等と扱われる。この代理人は疾患を患った契約者に代わりプランの運用継続や、契約者によって加入時に設定されていた解約返戻金の引出し条件にそって保障金を受け取ることができる。運用されている解約返戻金の全額を引き出すことも、返戻金のうち決まったパーセンテージ(25%、50%、75%から選択可)を引き出せるように設定しておくこともできる。返戻金を全て引き出せばその時点でプラン解約となるが、部分引出しを選択すれば運用は継続されることになる。契約者や被保険者が認知症を患い加入した保険がお蔵入りされているケースがかなり発生しているようだ。

※このメンタル・インキャパシティ・オプションにおいては、契約者と被保険者が同一であることが条件となる。

被保険者が死亡してしまっても死亡保障受取人が新しい被保険者となりプランの運用をしてゆくようなことも最近のプランでは可能だ。これを証券継続オプションと呼ぶ。このオプションは以下で言及する死亡保障の受取り方の一つのオプションとなる。そのため、被保険者が亡くなった時点で一度プランの保障期間は終了となり(解約)、その後、新しい保険証券が発行されることになる。名義人は旧証券で受取人だった人が契約者、被保険者となるが、名義が変更されてもそれまで増えてきた解約返戻金が減ることはない。旧証券における被保険者が亡くなった後も、運用を継続したいような場合に選択すべきオプションと言える。なお、新しい契約者であり被保険者となった名義人は、自由に受取人を指定することができる。

死亡保障受取り方法が多岐にわたる

死亡保障の受取り方の選択肢が増えてきている。これまでの一般的な死亡保障の受取り方は一括払いと分割払いだったが、これらに少し改良が加えられた受取方が新しく出てきている。①一括払いと分割払いのコンビネーション。一部を一括で払出し残りを分割で払いだしてゆくもの。一括払いの最低金額は死亡保障の5%相当額以上となり、分割期間は2年~50年の間から選択ができる。

②受益者が指定された年齢になるまでは分割で払い出され、その後、残りの死亡保障額を一括で受け取るオプション。これは受益者が未成年であったり何かしらの理由で、契約者として、早い時期に受益者に纏まった額の死亡保障を渡したくない/渡せないなどの事情があるときに活用できる選択肢となる。

③毎年3%増額された死亡保障を分割で受け取る。上記の分割払いと異なり、このオプションにおいては分割期間の指定はなく、全ての死亡保障が払い終わるまで分割額に3%が上乗せされ払い出される。

④そして既述の証券継続オプションになる。

※①②③は死亡保障額合計が50,000米ドル以上の場合のみ選択ができる。また分割払いの年間支払い額は2,500米ドル以上であることが条件となる。

PS(ピーエス)

香港保険に加入される方で意外と多いのは子供や親族にその加入した事実を伝えないでいること。子供の学費資金として貯蓄型の保険に加入されるようなケースでも、解約返戻金は20年も置いておくと、支払った保険料の2倍以上の金額になっている。そのため、その解約返戻金の額を子供が知ってしまうことで働く意欲がそがれてしまうと心配される親御さんは意外と多い。または冒頭の死亡保障の受取人に関しては、親族以外を指定することができることや手続きに際し受取人の署名が不要と言うのも意外と大切なポイントのようだ。特に生命保険においては、契約者であり被保険者は受取人の性格や人間性をしっかり理解している必要がある。ただどれだけ普段しっかりしているように見えて信頼できると思っていたとしても、保険(≒金)の存在を知った瞬間に人が変わってしまうようなことはあるのだろう。自分を愛してくれている、大切にしてくれていると信じていた相手が実はそうではなかった。子供や孫との関係においても似たようなことが言え、優秀でしっかりしていると思っていたのが実はそうではなかったなど。プランに加入後、時間が経つにつれ、自分の認識の甘さに気付かされるようなことも将来的には起こりうる。その時のためにできるだけ保険の存在は誰にも知られないようにしておきたい。もし仮に自分が死んで保険の存在が明るみになったとしても、先ほど述べたチンタラ分割タイプで保険料を払い出してあげることで、天国/地獄からジメジメした嫌がらせをすることもできる。もしこいつらには、びた一文資産は渡さないとなれば、ちゃっちゃと解約し返戻金を全て自分で受け取ればよい。最近のプランだと損益分岐点は早いものだと6年目、7年目に迎えるように設計されている。また死亡保障の受け取り方と受取人はプラン加入後にいつでも変更ができるので、受取人の本性が分かった時点で契約者の方で自由に変更してしまえばよい。ただし、これら小テクが使えるのは、契約者自身が認知症を患っていないこと、死亡保障の受取人に保険の存在が知られていないことが前提にはなる。

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