サン・ライフのアジアにおけるビジネス展開

サン・ライフ香港/永明金融

チャイナリスクについて時々、香港保険をご加入の方から頂くことがある。当たり前だが、どのような環境でどの様な方達と話をしどのようなメディアに触れてきたかによって中国に対する理解や認知のされ方が大きく異なってくる。

恐らくチャイナリスクについて心配される方に説得したり、納得してもらうことは無理だろう。「そこまで気にされること無いかと思いますよ」とお伝えしサクッと理解をしてもらえたらよいのだが、自分が当事者となり何かしらの形で接点をもたないことには、自分が住んでいる場所以外の国を感じそして理解することは難しいように思う。

これまで中国に住んでいたり仕事などを通して知り合った方や友達が多くいたいりすると、メディアを通し伝わってくる情報だけでなく、日々の何気ない知人友人との会話や身近な情報をベースに、色々な角度から中国と言う国を捉えることができるようになったりする。自分が愛する人や大切な方、尊敬する方たちが住む国のイメージと言うのは、何かしらの形で当事者の考えに少なからず良い影響を与えてくれる(逆のケースも当然あるが)。

ちなみに私のキャリアはモノ造りがバックグラウンドにある。日系家電メーカで購買として働いていた当時の同僚やお客さん、そしてサプライヤーの方とは今も繋がっている。どっぷり中国にハマっていて中国贔屓とまでは言わないが、彼らとの日常の会話を通して感じることができる中国とメディアが発信する中国に関する情報との間にはどこか大きなギャップがあるように思える。

資産運用と同じで過去の成績は将来の運用成績を約束するものではないように、これまで歴史が良好だったことが将来も良好であり続けると言う訳ではないけれども

サン・ライフが香港でビジネスをスタートさせたのは1892年。この年についてはサン・ライフ香港の会社案内とセットで引合いに出されるので知っている方も多い。だがほぼ同じタイミングでサン・ライフが中国でビジネスを始めていたと言う事実について触れられることはあまりない。

中国国内で外資系保険会社として、最初にビジネスを展開したのがカナダ籍のサン・ライフ(Sun Life)だと言われている。サン・ライフの本社から1891年にイラさんというビジネスマンが派遣され、翌1892年から中国でビジネスを開始。第二次世界大戦によって一時的に中国ビジネスから撤退を余儀なくされるが、中国政府からの信任を得ながら、当時、外資系保険会社の中では最も成功した企業に成長したと言われている。戦後、サン・ライフが再び中国に戻ってきたのが1995年。中国政府直轄の国営の金融機関、中国光大集団(China Everbright Group)との合弁と言う形態をとり(Sun Life Everbright Group)中国でのビジネスを再開し、2002年、天津市にて保険商品販売を開始して現在に至る。

中国そして香港政府の強力なサポートのもとでビジネスを展開するサン・ライフ

中国政府と長きに渡り足並みを揃えビジネスを展開してきたこと、サン・ライフが中国において、他のどこの国や地域よりも早い時期にビジネスを始めたことが、中国、香港そして他のアジアにおける将来安定したビジネスの展開そして継続を約束するものでは無い。しかし長い歴史の中で培ってきた信頼関係や、十分過ぎる力強い政府からのサポートがあるので、サン・ライフが今後も香港を中心としてアジアでビジネスを展開してゆくことは容易だと言える。

サン・ライフ・アジアを統括するジョンソン社長が香港を軸としたアジアビジネス戦略を打ち出せるのもこれら背景があるからだろう。これら背景や根拠が無ければ、名義を無制限に変更しながら120年もプランを運用してゆける商品など出してはいけないことになる。

政府が明確に保険業界をサポートすると明言している以上、政治的な理由でビジネスから撤退するまたは撤退させられるような可能性は極めて低いと言えるのではないだろうか。

アジア展開と代理店契約

アジア各国へのアクセスも抜群に良くまた盤石な金融システムを有する香港。保険は香港の一大産業と言われ、サン・ライフだけでなく、他の保険会社にとってもアジア戦略に欠く事のできない重要な活動拠点となっている。

サン・ライフはこれまで中国、香港の他、シンガポール、ヴェトナム、フィリピン、マレーシア、インドでもビジネスを行ってきた。アジアにおける契約者数は2,500万人を超え、これら顧客を3万人のスタッフ、そして9万7千人を超すファイナンシャルアドバイザーがサポートを行っている。

既存の顧客と今後増加が見込まれるアジア地域からの契約者へのサービスレベルの更なる向上を目指し、質の高いサービスを提供できる代理店との契約を今後も積極的に増やしてゆくと、ジョンソン社長は意気込む。しかし一方でコミッションばかりに囚われている粗悪な代理店との契約は極力行わないという。スタッフとファイナンシャルアドバイザーの不足は、代理店契約だけでなく、AIなどの科学技術を活用し埋めてゆくのだろう。

このジョンソン社長のメッセージを私は、潜在顧客だけでなく、我々ライセンスを持って活動しているブローカー(保険屋)への牽制球でもあると受け取った。質の悪いサービスを顧客へ提供したらいたらいつかは首切るからな、と。

サン・ライフにとっての重要な市場は本社があるカナダ、そしてアメリカであるが、若い年齢層が大きな割合を占めるアジア市場の成長性がサン・ライフの中長期でのビジネス戦略に必要不可欠であるのは言うまでもない。各国の拠点がその国の人々の細かいニーズを満たす商品を開発販売しながら、それらニーズを満たしきれない、例えば富裕層や多種多様な要望に応えられる商品を香港が供給してゆくなど、色々切り分けをしながら今後もサン・ライフはビジネスを展開してゆくのだろう。

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